中学生は筋トレしてもいいの?
「中学生は筋トレをしてはいけない」や「筋肉をつけると動きが遅くなる」のようなフレーズを聞いたことがある人はいますか?
これらは、一見もっともらしく聞こえるほど広まっているフレーズですが、実は誤解に基づくものが多いです。
この記事では、いつからどのような筋トレをしていいのか、どのくらい体重を増やせばよいのかなどを解説していきます。
目 次
1. なぜ筋トレをしなければならないの?
体重増加とスプリントの相関。
動画で紹介されているのは、体重増加とスプリントの相関があるのか、U15選手の2年間の変化を調べたものです。
<グラフが示している情報>
縦軸:20m走タイム。横軸:年齢。
赤系実線:”やや速い”の評価維持した群。青系実線:”平均的”に評価低下した群。
➡グラフにおける線が右肩下がりの傾きが大きいほど、伸びが大きいことを示している。
<結果>
赤系実線(傾きが大きい)の選手の特徴は、体重が著しく増加している。
青系実線(傾きが小さい)の選手の特徴は、体重がそれほど増加していない。
<考察>
体重が一定程度増加することでスプリントタイムが短縮する可能性がある。
この現象は、体重増加によって筋肉量が増え、爆発的な力を発揮しやすくなるため、スプリント性能が向上する可能性が考えられる。
ただし、体重が過度に増加すると、逆に機動性が損なわれる可能性もあるため、増加する体重の種類(筋肉量 vs 脂肪量)とそのバランスが重要である。
筋力不足による怪我のリスク向上。
筋力の不足と疲労の関連
筋肉が十分に発達していない場合、疲労が蓄積しやすくなり、その結果、動作の正確性や関節の安定性が低下します。
- 疲労の影響:
- バイオメカニクスへの影響:
疲労した筋肉では力の発揮が不十分となり、動作中のタイミングがずれるため、筋肉や関節に余計な負担がかかります。この負担が繰り返されることで、過負荷が蓄積し怪我に繋がる可能性があります。
筋力不足により、効率的な動きが維持できなくなり、代償動作(本来とは異なる筋肉を過剰に使う動き)が発生。これが長期的な負担となり、怪我の原因となる場合があります。
筋肉機能と試合中の負荷耐性
サッカーのような瞬発的な動作が多いスポーツでは、筋肉が高強度の負荷に耐える能力が重要です。この負荷耐性が低いと、怪我のリスクが高まります。
- 偏心性筋力の重要性:
- 瞬発力と怪我リスク:
例えば、ダッシュ後に急停止する動作では筋肉が伸ばされながら力を発揮する「偏心性収縮」が求められます。この筋力が弱いと、筋肉が伸びすぎて損傷を受けるリスクが高くなります。ハムストリングスの怪我は、このメカニズムに起因することが多いです。
高負荷の動作(急な方向転換やスプリント)が筋肉の限界を超えると、特に弱い筋肉部分に損傷が発生しやすくなります。このため、筋力不足が原因で負荷耐性が低い選手ほど試合中の怪我リスクが高いとされています。
既存の怪我との関係
過去にハムストリングスの怪我を経験した選手は、新たな怪我のリスクが大幅に高まります。例えば、研究では既往のハムストリングス損傷が再発リスクを2~6倍に増加させることが報告されています。このリスクの要因には、以下が含まれます。
- 損傷部位の筋力が完全に回復していない場合。
- リハビリ不足により筋肉の柔軟性や強度が不十分である場合。
- 怪我後の動作パターンが正常に戻らないことで負担が他の部位に移行する場合。
これにより、筋力トレーニングと適切なリハビリが重要であることが強調されています。
筋肉不足は直接的に怪我リスクを高めるだけでなく、選手のパフォーマンスや動作効率にも影響を及ぼします。特にサッカーのような高強度のスポーツでは、筋力トレーニングを通じて筋肉の強度と柔軟性を向上させることが、怪我予防とパフォーマンス維持に不可欠です。
2. いつから筋トレしていいの?
各年代でのトレーニング内容。
ウェイトトレーニング【U16 以降】
目的:筋肉の成長と神経系の発達が成熟してくるこの時期には、ウェイトトレーニングを導入することで、爆発的なパワーや筋持久力の向上を目指します。
効果:高負荷トレーニングは筋繊維の肥大化を促進し、スプリント力、ジャンプ力、ボディコンタクト時の優位性を向上させます。
トレーニング例:
- 重量スクワット(下半身の力強さ)
- ベンチプレス(上半身の筋力)
- クリーンやスナッチ(爆発的な動きの強化)
注意点:技術的な正確さを重視する指導が必要で、不適切なフォームや過負荷は怪我のリスクを伴うため、段階的な負荷設定が推奨されます。
ボディウェイト(自体重)【U14 以降】
目的:成長期の身体に過度な負担をかけず、動作の協調性を高めながら、基礎的な筋力と持久力を向上させることを狙います。
効果:関節や骨への過剰な負荷を避けつつ、サッカーに必要な柔軟性や機敏さを養います。
トレーニング例:
- プッシュアップ(胸筋、肩、腕)
- シングルレッグスクワット(下半身とバランス能力)
- バーピーやマウンテンクライマー(全身の持久力とコーディネーション)
注意点:動作の正確性にフォーカスし、フォームが乱れるほどの反復回数は避けるべきです。
コアストレングス【U12 以降】
目的:姿勢の安定性を向上させ、バランス能力や体幹の基礎力を構築します。成長期の怪我予防にも大きく貢献します。
効果:体幹部の筋肉が安定することで、全身の動作がスムーズになり、効率的なエネルギー伝達が可能になります。
トレーニング例:
- プランク(体幹の安定性)
- サイドプランク(側面の筋力強化)
- バランスボールを利用した体幹トレーニング
注意点:低負荷のトレーニングによるメリットを最大限に活用し、トレーニングメニューのバリエーションを増やして単調にならないようにする。
3. あなたの目標BMIはいくつ?
BMIとは。
BMI(Body Mass Index)とは、身長と体重によって体格を評価する方法です。
世代別目標BMI。
BMI 計算
<世代別目標BMI>
※ここでのBMI目標値は、サッカー選手を対象としており、単なる肥満の指標としてではなく、筋肉量や体格バランスを評価する目安として活用しています。
※BMIの目標値は、世代別代表の平均値をもとに設定します。
※F:フューチャー(9月1日生まれ以降の選手)。
| U13F | U13 | U14F | U14 | U15 | U16 | U17 | U18 | U19 | U20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FW/MF/DF | 19.0 | 19.5 | 20.0 | 20.5 | 21.0 | 22.0 | 22.0 | 22.5 | 23.0 | 23.5 |
| GK | 20.5 | 21.5 | 21.5 | 22.5 | 23.0 | 23.5 | 23.5 | 24.0 | ||
4. まとめ。
- パフォーマンス向上、怪我防止のために筋トレをしなければならない。
- ウェイトはU16以降、ボディウェイトはU14以降、コアストレングスはU12以降。
- 自分のBMIを計算し、世代別の目標BIMを目指す。
このサイトでは、チーム練習と個人練習の2つに分けて、厳選された練習メニューをまとめています。
悪い意味での「伝統的な練習」への疑問。ただボールを蹴るだけの自主練。敗れる理由もわからない無策のチーム。
そんな悩みを解決するためにこのサイトを作り上げました。
蹴練場は日本全国のサッカーファミリーを応援しています。